『受験は要領』についての考察のまとめページは、下のほうにあります。
問題を読む前に、まず設問を読む。まえにも述べたが、英語、国語はとくに設問の中に重要なヒントが隠されていることが多い。
和田秀樹
著『
受験は要領
』より
これはどちらかというと、記述式での試験のことを述べているのだと思うのですが、「設問を先に読む」というのは、特にセンター試験の国語と英語で力を発揮するテクニックです。
ある程度学力があれば、一度文章を読むだけで文章の内容がほとんど頭に入るので、どんなやり方でも解けます。
しかし、試験本番までにそのレベルまで到達しなかった場合には、設問を先に読むことで、確実に点数が上がります。具体的には以下のようにやっていきます。
センター試験 国語
①文章を読んでいく。
②傍線部にあたる。
③設問を読む。このとき、選択肢はみない。
④その解答となっている部分を見つける。このとき線を引いておくと良い。
⑤上の④で見つけた部分と選択肢を見比べる。
センター試験 英語(筆記)
①まず設問を読む。
②その答えとなる部分を探しながら、文章を読んでいく。
③該当箇所を見つけたら、選択肢と比較する。
センター試験 英語(リスニング)
①まず設問を読む。選択肢に目を通しておいてもよい。
②設問となっている部分に注意しながら英語を聞き取る。
③選択肢と比較する。
英語では先に選択肢に目を通しておいても良いでしょうが、国語では混乱をまねくおそれがあるので、自分なりに答えを決めてから選択肢に目を通した方が良いでしょう。
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この時期の勉強でだいじなことのひとつに、英語だけは毎日、かならずやるというのがある。というのは、英語は一日でも休むと、極端にカンがにぶる学科だからだ。
和田秀樹
著『
受験は要領
』より
これは英語に限らず、どの科目でもあてはまると思います。ある科目をしばらく学習しないと、久しぶりに取り組んだときにどうしても思考の速度が落ち、「以前であれば解けたはずの問題が解けない」ということがありえます。
ですから、直前期には、なるべくバランスよく学習することが大切です。センター試験など、科目数の多くなりがちな試験を受ける時には、特にこのことに注意してください。
逆に、直前期でなければ、特定の科目に比重をかけて学習するというのも有効です。特に苦手科目の場合、ある期間に集中して勉強することで、それ以降の学習がより効率的に進むということがあります。
ですから、「
時期によって学習する科目のバランスを変える」というのが、合格への近道であるといえるでしょう。
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そんなとき、私はうそでもいいから、自分がスラスラと問題を解いている姿をイメージすることにしていた。かの不滅の四番バッター、長島茂雄氏は、試合の前夜には、かならず自分がホームランを打って観衆の歓呼の中で、ベースを一周している様子をイメージしたそうだ。
和田秀樹
著『
受験は要領
』より
スポーツではイメージトレーニングがかなり有効で、野球をはじめとする様々なスポーツで取り入れられています。
しかし、勉強にもそれが有効だというのはどうなんでしょうか?
スポーツでは、主に自分の体の動かし方をイメージします。「相手がこうきたらこう対応しよう」「こうした後に、こう見せかけてこうしよう」といった感じです。
しかし、勉強で自分がスラスラ解けている姿をイメージするというのは、私にはどうも有効だとは思えません。
私には、スポーツにおいてイメージトレーニングに相当するものは、勉強においては解法を思い浮かべることであるように思えるのです。
外からみたら同じように思えるかもしれませんが、しかし、スポーツを得意とする人間がやっているイメージトレーニングは、単に自信を得るためだけにやるようなものではありません。
緊迫した場面でも、より効率的な動作をするために、より自分の能力を最大限に発揮するために必要なものなのです。
ですから、受験が近くなって不安になったとしたら、そのような状況でも勉強を続けられるような(たとえば復習を中心にやるとか)、より現実的な工夫をすべきなのではないでしょうか?
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国語を勉強する難しさは、努力して暗記したことがそのまま結果として表れにくいことだ。他の科目なら、時間をかければそれなりに点数も上がってくるが、国語、とくに現代国語の場合、問題集を五冊やろうと一〇冊やろうと、たいして差が出ない。いくら時間をかけても点数が伸びるという保証がないのである。
和田秀樹
著『
受験は要領
』より
いわゆる、「成績の潜伏期間」というやつですが、これは国語に限らずどの科目(特に苦手科目)にもあてはまります。
「国語はいくら勉強しても、成績が上がらない」ようなことが書いてありますが、決してそんなことはありません。
国語も他の教科と同様、標準レベルの問題集をマスターした後に、きちんと演習の期間を設ければ、ある時急に、成績が上がるという現象が起きてきます。
ただ、理科や社会がじわじわと成績が上がるのに対して、英数国はある一定の勉強量に達すると、急に成績が上がる印象があります。
ですから、たとえ成績が上がらなくても、それにとらわれずに勉強を続けることが、国語の場合は大切なのではないでしょうか?
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問題集をやるときは、まず、最初に答えをみてしまい、問題に解答を書き込んでいく。問題を自力で解いてから解答をみるのは考えるだけ時間のムダ。(中略)こうして解答を書き込んだ問題集は、実践的な参考書になる。捨てずにとっておいて、何度もくり返し読んで解答を暗記しよう。
和田秀樹
著『
受験は要領
』より
たしかに、英文法のような単純暗記では、何度も読むだけでかなり覚えられます。しかし、最終的にはきちんと空欄を埋められるかどうかチェックしておくことにこしたことはありません。
さもないと、入試本番で「この問題、見たことあるのに答えが書けない」ということになりかねません。ですから、いきなり答えを見るのは賛成できるにしても、答えを書き込むのはまだ早いでしょう。
これも標準問題集のやり方と同様に、
①問題の解答をみる。
②1ヵ月後に、自力で解いてみる。
解けた場合は、印をつけて答えを書き込んでしまう。
解けなかった場合は、1ヶ月後にもう一度解く。
③すべての問題に印つくまで②をくり返す。
文法の問題集には、単元ごとにまとまっているものがありますが、このような問題集をやる場合は、特定の分野に偏ってしまわないようにランダムにやるのがよいでしょう。
そしてある程度できるようになった状態で、今度は前から順番にやっていけば、できるものには答えが書き込んであるので、ほどよく復習しながら単元ごとに仕上げることができます。
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内容が入試レベルに近い『The Japan Times』、毎日読みたければ『THE DAIRY YOMIURI』は、適当に長文もあり、最適だろう。
(中略)
正確な訳はいいから、とにかく一気に最後まで読んで大意をつかむ訓練をすることだ。
和田秀樹
著『
受験は要領
』より
数学のところで、さんざん「自力で解く必要はない」「間違った答えを覚えてしまう」と批判したにもかかわらず、ここではほとんど「自力で解く」に近いことを推奨しているのはなぜなのでしょうか?
「正確な訳はいいから、とにかく一気に最後まで読んで大意をつかむ訓練をする」と、間違って大意をつかむ可能性があり、同時に間違って単語や構文を覚えてしまうかもしれません。ですから、私はこれは全くおすすめしません。
こんなことやるくらいなら、普通に入試問題の英文を題材にして大意をつかむ練習をするほうがよっぽどマシです。訳もついていることですし、問題にもあたることができ、実際に入試問題であるぶんより実践的だと思います。
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当然、長文を速読する訓練が必要である。それには、私は、とにかく日本語の対訳のついた英語の本を、どんどん読むことでトレーニングした。教材は、ラフカディオ・ハーン
やマセット・モームなどの小説、あるいは童話など、オーソドックスな英文を選ぶようにする。
和田秀樹
著『
受験は要領
』より
日本語の対訳ついた英語の本でなくて、逆に英語の対訳のついた日本の本の話なんですが、この前本屋にいってみたら、ベストセラーになった『
国家の品格
』の対訳本がうっていました。
新渡戸稲造が『
武士道
』の対訳本を出しているのも有名ですよね。
このような本は探してみれば、たくさんあるかもしれませんね。自分の好きな本の対訳であれば、かなり楽に頭に入るので、おすすめです。
ただし、最近では、より入試問題に近い英文の対訳参考書が出版されていますから、受験生の人はそれを使った方が無難かもしれません。
速読英単語
をはじめとして、
Z会
から同様の参考書がたくさん出版されています。
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英語力向上の秘訣は、できるだけ多くの英短文を憶えることである。
和田秀樹
著『
受験は要領
』より
英語の攻略法を述べて、最初のほうに出てくるのがこれです。ですがその前に、何か言い忘れていることありませんか和田さん?
英語は暗記である。要は、「こうくればこう解く」というパターンの分類と解法を知っていればいいわけで、それへの早道は自力で解くことでなく、解答の丸暗記だ、ということを知ってもらいたい。
これは、「英語は暗記である」という言葉のあとに、数学のところで述べていたことをそのままもってきただけですが、これをさらに解釈し直します。
英語は暗記である。要は、「こういう英文ならばこう解釈する」という英文のパターンと訳を知っていればいいわけで、それへの早道は自力で訳を思いつくことでなく、一度解いた問題の英文と訳をしっかりと身につけることだ、ということを知ってもらいたい。 これが英語の正体です。数学が自力で解法を思いつく必要がないのであれば、英文の訳も自力で思いつく必要はありません。ただ、英文と訳を憶えれば良いのです。具体的には以下のように勉強することになるでしょう。
①英文と訳を照らし合わせて読んでいく。
②その1ヵ月後に、もう一度今度は自力で問題を解いてみる。
③解けた設問には印をつける。基本的にはもう解く必要はない。
解けなかった設問は1ヵ月後にもう一度取り組んでみる。
④すべての設問に印がついたら、その問題文(英文)は読む必要はない。
もちろん、いきなり英文が読めるようであれば、①は飛ばしてかまいません。
英文(と訳)が頭にはいっているかどうかというのはなかなか判定しにくいので、その問題の設問がすべて解けたらその英文は頭に入っていると判断します。これに関してはもちろん異論唱える人もいるでしょうが、これだと余計なことを考えずにすむので、私はこれを採用してします。
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私は計算力をつけるために、私立中学入試レベルの計算、もしくは高一レベルの計算を、毎日三〇分から一時間程度やった。(中略)一見遠回りに見えるこうした”筋力トレーニング”も必要なのである。
和田秀樹
著『
受験は要領
』より
こんなことをするくらいなら、普通に問題集を解いた方が良いのではないでしょうか?大学入試では、高一レベルの計算は多少出るかもしれませんが、中学入試レベルの計算問題はまずでませんし、それよりも普通に大学入試の問題集を解いた方が、計算力が鍛えられるばかりでなく解法も頭に入ります。
「一見遠回りに見えるこうした筋力トレーニング」は、実際にも遠回りであったと言わざるをえません。普通のやり方が、結局は一番効率的なのです。昔の人はそれを知っていたので、こう言ったのでしょう。
急がば回れ
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実際のやり方は以下のように勧める。
①模範解答を見て、理解しながら書き写していく。そのとき式の展開など計算部分はかならず自分でする。
②何十題か憶えたと思ったところで、復習する。この復習方法は、まず問題だけを見て解答をイメージする。もし明確にイメージできるなら答案を作る必要はない。あやふやで、どうもはっきりしない場合にだけ、自力で答案を作ってみる。
③もし答案が書けなかったら、模範解答をみてカード化する。このカードは、常に持ち歩いて暗記してしまう。
④この②→③を時折くり返し、暗記をかためていく。理想的には四回くり返すのがいい。
和田秀樹
著『
受験は要領
』より
基本的に、学校の授業にしろ自宅での学習にしろ、「
書き写す」という行為で学力が上がることは
ないと思ってください。「
書き写す」という行為をする場合、始めのうちは比較的頭が働いているのですが、だんだん「理解する」ことよりも「書き写し終える」ことが目標のようになってしまい、性能の悪いコピー機のようになっている自分に気づくことになります。
『
受験は要領
』では、②で「何十題か憶えたところで、復習する。」となっていますが、個人的には、復習のタイミングは
取り組んでから1ヵ月後がおすすめです。というのも、記憶というのはおよそ1ヶ月で整理されるからです。
また、「どうもはっきりしない場合にだけ、自力で答案をつくってみる」となっていますが、きちんと解き直すのと単にイメージするだけではやはり違います。
カード化に関しても、これはする必要はないでしょう。ただ
付箋をつけておくだけで十分です。
私は、以下のように数学の問題集を進めることをおすすめします。
①問題に取り組んでみる。
②頭が疲れないうちに、解答を見る。
③解けた場合は印をつけておく。基本的にはもう解く必要はない。
解けなかった場合は、解答を読んでおき、1ヵ月後にもう一度解いてみる。
④すべての問題に印が付くまで①→②→③をくり返す。
なぜ1ヵ月後かというと、
エビングハウスの実験により、「短期記憶は1ヶ月でほとんど失われる」ということが分かっているからです。勉強関連のほとんどの本ではこれを鵜呑みにして、「まずは翌日に、そしてその次は1週間後に・・・のように復習する」となっていますが、私はこれを別の視点からとらえています。つまり、逆に「
1ヶ月たっても憶えていたら、その後も覚え続けている可能性が高い」と言うようにも解釈できるわけです。
ですから
、「1ヵ月後に解くということをくり返す」ことにより、暗記できている情報の上に新たな情報を書き足していくことができるわけです。
どうでしょうか?このやり方でやる場合は、問題番号のそばに日付を書いておくと便利でしょう。
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さらに、ヤマをはることは出題者の意図を見破る訓練にもなり、受験センス鍛えることにもなる。ヤマもはらずに暗記するということは、銃の照準もあわせずに、ただやみくもに発砲するようなもので、合格はおぼつかない。目標にしっかりと狙いをつけてから撃つことだ。実際、私の学んだ灘高でも東大でも、ヤマのよくあたる奴は実力も備わっていたものだ。
和田秀樹
著『
受験は要領
』より
「
ヤマのよくあたる奴は実力も備わっていたものだ」とありますが、これはむしろ逆で、「
実力が備わっていた奴は、ヤマもよくあたったものだ」というのが真実ではないでしょうか?
そもそもヤマをはるためには、それなりに問題にあたっている必要があります。それによって教科書を読んでいる時でも、「ここが問題になっていたな」と思い出したり、「ここが問題になりそうだ」などと分かるものです。
勉強が進んでいけば、こうした直感的な能力というのは自然と向上していきますから、こんな能力を鍛えることに時間を割くくらいなら、普段の勉強をすすめてください。
それに、受験生のはれる「ヤマ」なんて、過去問を見たあとに「この問題集が相性良さそうだ」とか「この予備校のこの講座が良さそうだ」とかその程度でしょう。
ヤマをはることが合否を決定的にするとは考えられません。
合否を決定付けるのは、あくまでも習得した標準問題の数です。
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カードは大きめで、ひとつの文脈として、いろいろ書きこめるものがベストである。その点、京大式カードは、大きいうえに罫線も広く、使いやすい。私は受験用には、この京大式カードを愛用していた。
和田秀樹
著『
受験は要領
』より
文具店などに行くと、「単語カード」なんてものが売っているものですから、ついつい使ってみてしまいたくなるものです。しかし、大学受験においては、基本的にこの種のカードは不要でしょう。
学習する過程で気になるところがあれば、付箋を貼っておけば済むことですし、最近ではコピー機能のついたプリンタが普及していますから、どうしてもストックしておきたいものがあれば、コピーしてノートに貼っておけば十分です。
中には「カードなら、順番を変えたり整理したりできる」と思う人がいるかもしれませんが、これもルーズリーフにコピーを貼れば済むことです。
また、コピーであれば学習する対象が変化しないため、コピーの方が脳科学的にも有効な学習法であるといえるでしょう。
どう考えても、単語カードの出番はありませんね。やがて、「単語カード」なるものは文具店から姿を消すでしょう。
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また、問題集を再読するときは、私は前から順番に見ていくのではなく、ランダムに読むことにしていた。問題集は、まえに一度やったものを、同じようにくり返すと、一度やってしまっているので新鮮味を欠き、ついついとおりいっぺんのやり方になりがちだ。
和田秀樹
著『
受験は要領
』より
まれに問題の順番が分野ごとでなく、ランダムになっている問題集もありますが、たいていの問題集は分野ごとになっています。本というと、どうしても前から順番に読まなければいけないような気がしてしまいますが、問題集に関してはそれはあてはまりません。
この順番というのは文部科学省認定の教科書にそった順番ですが、これがすべての人にとって適した順番とは限りませんし、人によって得意な分野と不得意な分野というのは異なります。 ですから、前から順番にやっていくことが必ずしもベストとは言えないのです。
和田さんは、一度目は順番通りにやって、二度目以降(復習時)ではランダムにやっていくことを勧めていますが、個人的には逆もおすすめです。
どちらでもたいして変わらないといえば変わらないのですが、一度目をランダムにやり、二度目以降を問題順にやった方が、それなりに内容が頭に入った状態で分野ごとに学習できます。
結局、どちらでやるかは好みの問題でしょうが、しかし、問題を順番通りでなくランダムにやるというのは、学習のために有効な方法であるといえるでしょう。
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(「一般的にはやさしいものからはじめるべきだといわれているが、問題集は難しいものから手をつけるべきだ」というような文章の後に続いて)
一見、基礎もできていないのに、難問からはじめるのはムリなように見える。しかし、それは受験常識のウソだ。こと暗記型の受験勉強に関して言えば、問題は難しいほうからはいったほうがいいのである。
和田秀樹
著『
受験は要領
』より
たしかに、一般的にいわれているように、「まずは基本から」ということをやっていては、いつまでも学力は向上しません。受験常識のウソとも言えるでしょう。しかし逆に、「まずは難問からはじめよ」というのも、受験
非常識のウソです。
受験勉強の初期の段階で、たとえ詳しいとはいえ難問の解説が理解できるとは思えません。それに入試では、あまりに簡単すぎる問題はでないでしょうが、難問もそれほど多くはでません。
ですから受験勉強の第一歩としては、難問までいかなくとも、標準的なレベルの問題集で十分でしょう。
入試で一番でるのは標準レベルの問題ですから、標準レベルの問題をきっちりおさえていくことが、合格へとつながっていくのです。
難問集は、まず標準レベルをマスターしてから取り組んでも遅くはありません。
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受験勉強を能率的に進めるには、自分で問題を解こうとする「自力主義」は、百害あって一利なし、確実に点数を落とすだけである。なぜなら、自力で考えるために、時間を必要以上に浪費し、しかも、ときには間違ったイメージを頭に残してしまうからだ。
和田秀樹
著『
受験は要領
』より
これは、言葉通りに解釈してはいけないんでした。やはりこれも、以下のように解釈します。
受験勉強を能率的に進めるには、自分で問題の解答を思いつこうとする「自力主義」は、百害あって一利なし、確実に点数を落とすだけである。なぜなら、自力で解答を思いつこうとするために、時間を必要以上に浪費し、しかも、ときには間違ったイメージを頭に残してしまうからだ。 これで良いでしょう。この少し後の部分で、
各科ともある時期まで、自力で問題を解かないこと という部分があるので、あとになってから自力で問題を解く必要があることは自明です。「自力で問題を解かない」とはやはり「自力で問題の解法を思いつく必要はない」と解釈する方が妥当でしょう。
これについての説明は、
数学の勉強法にもあります。
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クーラーを入れてもらうこと。あるとなしでは、能率は格段に違う。涼しいところを求めて、いちいち喫茶店や図書館に通っていたのではなかなかペースがつかめない。
和田秀樹
著『
受験は要領
』より
家にクーラーを入れてもらうことにはどちらかというと賛成ですが、ここの部分を読むと、なんだか夏休みはずっと家で勉強しなければいけないような印象をうけますね。
受験生の場合、外に出る機会がないと夏休みはどうしても家にこもりがちになってしまいます。これでは運動不足で健康に良くないですし、精神衛生の面でも好ましいとはいえません。
ですから私は、夏休みはむしろ積極的に、外に出る機会をつくるべきだと思うのです。外出しても、勉強していれば受験勉強には支障がないでしょう。
予備校や図書館まで移動するためには、どうしても歩く必要があります。この「歩く」という動作には、単に運動不足を解消するだけでなく、記憶力にも良い影響を与える効果があるようです(『受験は要領』でも、シュリーマンの話がでていました)。
それに、実際のところ、「自宅ではあまり集中できない」という人がほとんどなのではないでしょうか?
ですから、心身の健康や集中力の面からも、私は自宅以外の場所で勉強することをおすすめします。
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苦手教科を克服するには、徹底した暗記戦術にかぎるが、その際、苦手科目はコストパフォーマンスが、もっとも高い科目だと思うと勉強に意欲が出てくる。なぜなら、苦手科目は、もともとアタマの中に、何もはいっていない。
(中略)
二〇点しか点を取れなかった科目を五〇点にするほうが、五〇点を八〇点にするより、ずっと楽だ。
和田秀樹
著『
受験は要領
』より
普通の人だと、どうしても苦手なものは避けようとしがちです。なるべく苦しい思いはしたくないし、できれば恥もかきたくないからです。しかし、だからこそこの「苦手科目の克服」には効果があります。
和田さんの説明を読めば、私の説明などなくてもそんなことは十分に分かるでしょう。しかし、頭ではそう分かっていても、苦手教科を克服できずに入試本番をむかえてしまう人のなんと多いことでしょうか?
そこで私は、まず苦手科目からその日の学習を始めることをオススメします。というのも、「今日は、得意科目はできたが苦手科目まで手がまわらなかった」ということが積み重なった結果、「苦手科目が克服できずに本番をむかえる」ということになってしまうのではないかと思うからです。
極端な例で考えると、残り時間が100時間ある場合、そのすべてを得意科目にあてるよりも苦手科目にあてる方が合格の可能性は高まります。それはつまり、「今日は、得意科目はできたが苦手科目まで手がまわらなかった」ということが防げれば、合格の可能性が高まるということでしょう。
上では「苦手科目」と表現しましたが、具体的には「偏差値が一番低い科目」と表現してもほとんどさしつかえないでしょう。ですから結論としては、「偏差値が低い科目から順番に勉強していくことで、合格する可能性はぐっと高まる」というところでしょうか。
ある人は、「得意科目から勉強することで、調子がでる」というかもしれません。たしかに、自分に合っていると感じたらそれは良い方法なのでしょうが、時間配分をうまくやらないと、苦手科目を克服できずに本番をむかえてしまう可能性があるということを、覚えておいてください。
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苦手科目というのは誰にでもある。君たちの中にも、一生懸命やっているのに、苦手科目が克服できないと嘆いている人たちがいるはずだ。それは、学校や予備校の教師が口癖のように言う「基本がだいじ」という言葉を真に受けて、教科書や、やさしい問題集と格闘しているからに違いない。苦手克服は基本からではなく、難問集の使い方がポイントになるのだ。
和田秀樹
著『
受験は要領
』より
たしかに、「基本問題集」や「教科書の熟読」などでは、苦手科目を克服するのはほとんど無理です。しかしだからといって、いきなり「難問集に取り組め」というのも無理なのではないでしょうか?
苦手科目いうのは、要するに「記憶の取っ掛かり」がないわけで、これをつくることが重要です(『
受験は要領
』では、「暗記の中心となる軸」と表現されています)。そのために最も有効なのが、標準レベルの問題集をマスターするということです。
苦手科目の場合、ほとんど問題を解くことはできないでしょうから、自力で解答を思いつく必要はありません。問題を読んで、答えを覚えるだけでよいでしょう。ただし、この際に、自分なりに思いついたことを書き留めておくだけでも、かなり解答を身に着ける助けになるということを付け加えておきます。
解けたものには印を付けていき、解けなかったものはまた1ヵ月後に解きます。こうやって、標準レベルの問題集のすべての問題に印がついたとき、その科目の土台ができているということになります。
ここまでくると、いわゆる「勉強が楽しい」状態になります。もう自分で何をすべきか見えているでしょうから、後は前に進むだけです。
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当然ながら、自分の勉強がどれだけ進んだかをはかるには、時間ではなく量ではかるのがベターである。この勉強量で記録した"勉強家計簿"をつけて、まめにチェックすることだ。
和田秀樹
著『
受験は要領
』より
勉強のすすみ具合を量ではかるというのは良い考えですね。時間ではかると時間ばかりが気になったり、区切りが悪いところで学習を中断することになりかねません。
ですから、見たいテレビがあるのであれば、あらかじめ録画予約するとよいでしょう。自分の好きな時に見れますし、CMなどの無駄な部分をを早送りすることもできるので、放送をそのまま見るのと録画したものをみるのとではかなり違ってきます。
また、録画したものを見ることで、その次の番組まで見てしまう危険も回避できます。録画されているのは、せいぜい番組のオープニングくらいでしょうから。
最近は性能の良いHDD搭載のレコーダーが販売されていますから、テレビに時間をとられている人は、これを買うことで、勉強の効率化が期待できるでしょう。
↑家電を安く販売している店
↑パナソニック直販サイト「パナセンス」 DIGAが有名
↑いわずと知れたYahoo!オークション。中古であれば、かなり安く手に入る。
しかし、わざわざ「勉強家計簿」まで作る必要はないのではないでしょうか?個人的には、ただ問題の上に日付を書いておけばそれで済むと思います。
「えっと、今日やったのは、この問題集の・・・あれ、どこだっけ??・・・・あ、あったここだここだ」
なんていちいちやっていては、時間がもったいない気がするのですが・・・。
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暗記は根性でやるものでなく、要領でやるものなのだ。方法を変えたり場所を移すことが、意外に効率をあげる。そのための五つの方法を紹介しよう。
(中略)
第三には、暗記内容を逆転させたり、加工する方法だ。
私は、どうしても憶えられない英短文があったら、穴埋め式にして憶えた。また歴史などは、自分で試験問題を作って、それをやってみてもいい。
和田秀樹
著『
受験は要領
』より
参考書(問題集)があふれかえっているこの時代に、自分で試験問題をつくるというのは時間の無駄だと思いますが、「暗記内容を逆転させたり、加工する」というのは良い考えだと思います。
英作文の学習をする時も、新たに英作文の問題集を購入しても良いでしょうが、ほぼ学習がすんだ長文の問題集を和訳から逆に英文をつくってみるのというのもオススメです。これは、単に英作文の学習になるばかりでなく、長文の問題集の復習にもなり、一石二鳥です。
また、「暗記内容の加工」もなかなか有効です。高校生に身近なところでは、教科書に緑のチェックペンでマーキングして、赤い下敷きをかぶせるというところでしょうか?これは、穴埋め式にする時間が大幅に短縮できるので、私も高校生のころやっていました。
その際、チェックペンのような専用のマーカーを使っても良いですが、個人的にはユニのプロッキーをオススメします。というのも、こちらの方が値段が安い上、裏写りもしないからです。
↑ここだと、プロッキーが、98円で買えます。
(補足)
受験漫画の『ドラゴン桜』には、「数学の解答から逆に問題をつくる」というのがありました。これもたしかに「暗記内容の逆転」ではありますが、これは数学のトレーニングになるとは思えません。というのも、数学では「解答から問題を作るより」も、普通に「問題から解答を作る」ほうが難しいからです。
「暗記内容の逆転」が使えるのは主に文系科目、「暗記内容の加工」が使えるのは主に暗記ものだと考えてよいでしょう。
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