『受験は要領』についての考察のまとめページは、下のほうにあります。
実際のやり方は以下のように勧める。
①模範解答を見て、理解しながら書き写していく。そのとき式の展開など計算部分はかならず自分でする。
②何十題か憶えたと思ったところで、復習する。この復習方法は、まず問題だけを見て解答をイメージする。もし明確にイメージできるなら答案を作る必要はない。あやふやで、どうもはっきりしない場合にだけ、自力で答案を作ってみる。
③もし答案が書けなかったら、模範解答をみてカード化する。このカードは、常に持ち歩いて暗記してしまう。
④この②→③を時折くり返し、暗記をかためていく。理想的には四回くり返すのがいい。
和田秀樹
著『
受験は要領
』より
基本的に、学校の授業にしろ自宅での学習にしろ、「
書き写す」という行為で学力が上がることは
ないと思ってください。「
書き写す」という行為をする場合、始めのうちは比較的頭が働いているのですが、だんだん「理解する」ことよりも「書き写し終える」ことが目標のようになってしまい、性能の悪いコピー機のようになっている自分に気づくことになります。
『
受験は要領
』では、②で「何十題か憶えたところで、復習する。」となっていますが、個人的には、復習のタイミングは
取り組んでから1ヵ月後がおすすめです。というのも、記憶というのはおよそ1ヶ月で整理されるからです。
また、「どうもはっきりしない場合にだけ、自力で答案をつくってみる」となっていますが、きちんと解き直すのと単にイメージするだけではやはり違います。
カード化に関しても、これはする必要はないでしょう。ただ
付箋をつけておくだけで十分です。
私は、以下のように数学の問題集を進めることをおすすめします。
①問題に取り組んでみる。
②頭が疲れないうちに、解答を見る。
③解けた場合は印をつけておく。基本的にはもう解く必要はない。
解けなかった場合は、解答を読んでおき、1ヵ月後にもう一度解いてみる。
④すべての問題に印が付くまで①→②→③をくり返す。
なぜ1ヵ月後かというと、
エビングハウスの実験により、「短期記憶は1ヶ月でほとんど失われる」ということが分かっているからです。勉強関連のほとんどの本ではこれを鵜呑みにして、「まずは翌日に、そしてその次は1週間後に・・・のように復習する」となっていますが、私はこれを別の視点からとらえています。つまり、逆に「
1ヶ月たっても憶えていたら、その後も覚え続けている可能性が高い」と言うようにも解釈できるわけです。
ですから
、「1ヵ月後に解くということをくり返す」ことにより、暗記できている情報の上に新たな情報を書き足していくことができるわけです。
どうでしょうか?このやり方でやる場合は、問題番号のそばに日付を書いておくと便利でしょう。
(大学受験 攻略 勉強法)
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大学への数学 1対1対応の演習 東京出版
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このシリーズで、入試の数学のパターンをほぼ網羅しています。入試で差がつきやすい問題を集めているので、一通り終えるとかなり実力がつきます。青チャートとは異なり基本問題を省いているので、効率よく標準レベルの問題にあたることができます。
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精選された良問がそろっており、問題数のわりに広くカバーできている印象があります。解説も入試をふまえたものになっており充実しています。レイアウトも見やすいものになっており、随所に工夫がみられる問題集です。
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数学の勉強法について考察しています。(その2)
私は彼に数学を教えるとき、受験数学は暗記力テストなのだということを、こんこんと説いた。
(中略)
ところが、彼はそんな私のやり方に頑として抵抗した。いや、抵抗したというより、なまじ頭の良かった彼は、手強そうな問題にあたると、何時間でも机の前にかじりついて、自力でその問題を解こうとしてしまうのである。
(中略)
結局、彼は、東大はおろか、世間で言う二流大学に甘んじた。
和田秀樹
著『
受験は要領
』より
※ここでいう「彼」とは、東京の名門私立高校生だそうです。
これも、以前(
数学の勉強法)と同様、文章のまま解釈してはいけません。以下のように解釈してください。
私は彼に数学を教えるとき、受験数学は暗記力テストなのだということを、こんこんと説いた。
(中略)
ところが、彼はそんな私のやり方に頑として抵抗した。いや、抵抗したというより、なまじ頭の良かった彼は、手強そうな問題にあたると、何時間でも机の前にかじりついて、自力でその問題の解法を思いつこうとしてしまうのである。
(中略)
結局、彼は、東大はおろか、世間で言う二流大学に甘んじた。
もともとの文章と比べて、変わったのはほんの一部です。しかし、意味はがらっと変わりました。もともとの文章を読むと、なんだか考えるという作業がまるで無駄な作業に思えてしまいますが、実際にはそうではありません。これは、合格者に聞いてみるまでもなく当然でしょう。体を動かさずにスポーツが上達することがないように、考えるという作業なしに学力が向上することはありえません。
これもやはり、「数学では自力で解法を思いつくということにこだわってはいけない。覚えるべきことは覚えなければならないのだ。」という風に解釈することをおすすめします。
(以下余談)
ただ、一生という長いスパンで考えるなら、世間で言う2流大学に甘んじることも悪くないと思います。それどころか、一生フリーターでいるというのでさえも、それはそれで悪くないように思えます。というのも、そういう人達でしか成し得ないことだってあるのではないかと私には思えるからです。たとえば、1流大学の人ではたつことのできない視点で世の中を眺め、それによって、社会に貢献することだって可能なはずです。1流大学に進学する人間ばかりになったら、日本はおわりでしょう(実際には、全員が1流大学に進学することはありえないんでしょうけど)。
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数学の勉強法について考えます。
要は、「こうくればこう解く」というパターンの分類と解法を知っていればいいわけで、それへの早道は自力で解くことでなく、解答の丸暗記だ、ということを知ってもらいたい。
和田秀樹
著『
受験は要領
』より
これは、言っていることは正しいのですが、日本語としての表現があまりよくないと思います。正しい日本語に直すとこうなります。
要は、「こうくればこう解く」というパターンの分類と解法を知っていればいいわけで、それへの早道は自力で答えを思いつくことでなく、一度解いた問題の解答をしっかりと身につけることだ、ということを知ってもらいたい。 これで一般的な表現になりました。なんだかあたりまえすぎて、和田式勉強法に希望を見出していた人はの中には、がっかりする人もいそうですね。
ここの部分が和田式勉強法の根幹であったわけですが、しかし上記のとおり日本語としての表現の不適切さのために、熱狂的な和田秀樹ファンをつくる一方で、「いくら和田式で勉強しても成績が上がらない」「和田式勉強法のせいで成績が下がった」「和田式勉強法のせいで学力低下が起こっている」という批判を生み出すことともなりました。
つまり、「自力で解く」という作業を否定し、丸暗記という名称で呼んでいるため、覚えたものを思い出す作業までも否定しているように受け取った人が大勢いたということでしょう。
せっかく良いことを言っているのに、「本であたりまえのことを述べてもしょうがない」という不安もあったのでしょうか、少し過激な表現をしてしまったばかりに誤解されてしまったのは、本当に残念なことです。
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